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経理財務歴20年以上、財務経理担当経営職の僕が、必要最低限な損益計算書の知識をまとめてみた

まだ下記を読まれていない方は、下記からまずは、お願いします。

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財務諸表の見方を公開(英語表記も)

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以外に、下記の定義があいまいな人が多い。

決算書が読めれば、周りから、必ず頭ひとつ抜きん出ることが出来る。一方で、実は財務会計理論、簡単に言うと経理というものは、一度分かってしまえば、非常に単純な原理である。難しい、と思い込んでいる人が多いのも、また、事実である。

  • 売上
  • 売上原価
  • 売上総利益
  • 営業利益
  • 経常利益
  • 税引前当期利益
  • 当期純利益
  • EBITDA

売上(Revenue、Sales)

企業は、実は、たった3箇所からしかお金を得ることが出来ません。答えられますか?

  1. 顧客
  2. 債権者
  3. 株主

1の顧客とはお客さま、つまりお客さまへの売上金。2の債権者は、最もわかりやすい例は、銀行。銀行などからの借入金、負債や債務と呼ばれるもの。最後の3が株主。いわゆる、資本金。

この3つのうちの1つを構成する大事なものが、売上である。

売上での考え方のコツはたった1つ。売上を見たときに、瞬時に「単価×個数」と考えるくせをつけること。「入場料×来客者数」「1人あたり売上×人数」「1個あたり売上×個数」。単純な掛け算であり、この積み上げが売上を構成する。

売上原価(Cost of Goods Sold、COGS)

売上を生み出すために、直接かかった経費。直接とは、売上と「はっきりと簡単に紐付けができる費用」。

例えば、車の販売会社で、セールスマンが訪問しなければこの車は売れなかったはずだ。だから、この人件費は、売上原価にすべきだ、という方もいる。はっきりと、誰もが納得する形で、すぐに「彼の何時間分の人件費がこの車の分」と言えるだろうか?難しい。

逆に、車の仕入値は、はっきりと簡単に分かるはず。

「はっきりと売上に簡単に紐付け可能な費用」、それが売上原価。

売上総利益(Gross Profit, GP)

粗利とも呼ばれる。売上総利益とは何か?商品力によって稼いだ利益などという方もいるが、ここに、定義の答えはない。

損益計算書は、引き算を基本に構成されているものなのだ。つまり、売上総利益=売上ー売上原価、が答え。売上から直接売上にかかった費用を引いたもの、これが、売上総利益の答え。

営業利益(Operating Income)

本来の会社の営業活動から得た利益。

引き算では、「売上総利益ー販売費および一般管理費」この、日本語訳のセンスのなさが、我々を惑わせる。販売費および一般管理費は、英語では一般的にOperating Expenseが、使われる。つまりは、営業費用。営業にかかる費用、この方が断然わかりやすい。

営業費用(販売費および一般管理費)の一例

  • 人件費(給与、厚生費、賞与、退職金)
  • 広告宣伝費
  • 接待交際費
  • 車両費
  • 交通費
  • 通信費
  • 事務所の賃料
  • 水道光熱費
  • 保険料
  • 消耗品費

経常利益(Ordinary Profit / Current Profit)

本来の会社の営業活動と副業から得た利益。

経常利益=営業利益+副業(営業外収益ー営業外費用)

では、副業とは何か、主に財務的な活動という理解で十分。

営業外収益 受取利息、為替差益、有価証券売却益、配当金
営業外費用 支払利息、為替差損、有価証券売却損、雑損失

支払利息がここに分類されることは、ぜひ覚えておいて欲しい。一般的に出てくる科目であり、かつEBITDAの説明で、再登場するからだ。

税引前当期利益(Profit before Tax / Pretax Profit)

会社のすべての活動による、税金計算前の最終利益。すべての活動とは、営業活動+副業+特別活動。

特別利益 固定資産売却益、投資有価証券売却益
特別損失 固定資産売却損、投資有価証券売却損、災害損失

有価証券については、その保有目的によって、「売買目的」「満期保有目的」「子会社及び関連会社」「その他」に区分される。また、評価損益や売却損益が計上(記録)される。本1冊が書ける分量なので、無視でかまわない、専門家に任せればよい。その有価証券が、副業のレベルなのか、特別活動のレベルなのか、が最も重要な感覚。

当期純利益(Net Income / Net Profit)

会社のすべての活動による、税金計算後の最終利益。

当期純利益=税引前当期利益ー法人税等

法人税等は、法人税、住民税および事業税について計算された税金。「計算された」とは、「収めるべき税金」ではない、という点だけ覚えておいてほしい。税効果会計という、くそややこしい会計手続きが存在するためである。この、税効果会計については、本1冊以上の分量になるので、専門家に聞けばよい。こんな論点で、経理嫌いになってほしくないのだ。

EBITDA

投資系会社と評価会社(買収等のM&Aなどに関わる会社)が、彼らの為に作り出したと個人的に思うほどの悪魔の指標。しかし、使い方によっては天使(非常に強い味方)になる。

EBITDAは、Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation, and Amortizationのこと。

Depricaition(減価償却費)とAmortization(無形資産償却費)が考慮されない利益指標であり、本業によるキャッシュイン(本業での利益のうち、現金流入するもの)とざっくり考えて良い。本業としたのは、支払利息が副業活動に考慮されているため(上記、経常利益の項を再度参照願いたい)。

経営指標として使用されることもあるが、個人的には反対。設備投資や買収の影響をEBITDAは、全く考慮しないことが理由。

 

EBITDAの使用用途は、EV(Enterprise Value/ 企業価値)を出すための指標。

EV(企業価値 : Enterprise Value) イコール 株式時価総額 プラス 純負債(有利子負債 マイナス 現預金)

「EV = EBITDA × EBITDA倍率」という3変数で会社の企業価値を算定してしまう暴挙的な考えが、存在する。しかし、このおかげで、EBITDA倍率が、5倍や10倍(5倍で成熟産業企業、10倍で成長産業企業と、巷ではまことしやかに言われる)という簡易数値を使用することで、エクセルモデルなしで、とりあえず、企業価値を一瞬で出せるメリットが存在するのだ。

ちなみに、このEBITDAは、損益計算書には直接記載されない利益であるため、別途の計算は必要。

 

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さて、もう、 お気づきだろう。損益計算書を理解するうえで最も大事なことは、会社の活動のレベル(本業、副業、特別活動の3つ)と活動に関わる、特に費用を理解することなのだ。どの費用が、どこに分類されているかに最大限の注意を払うこと、そうすれば、損益計算書は自然と理解できるはず。

 

今回は、仕訳や、借方だ左側だ、増えた減ったの会計の話を、一切していない事に気づいて欲しい。損益計算書は、縦に流れるものであり、引き算で構成されているからだ。

いわゆる会計の原理、簿記の原理は、貸借対照表から考えたほうが断然わかりやすい。

貸借対照表、キャッシュフロー計算書、株主資本変動計算書へと続く。